「こんにちはwasenkin嫁です。
お酒の楽しみ方もわからない私ですが、タルプ村のお酒作りには関心があります。」
というのも、タルプ村特有の大事な家事の一つが、お酒造り。
以前もお伝えしましたが、ネパールでは家庭で合法的にお酒を造ることができます。
そしてタルプ村の生活にお酒は必須。
おもてなしの一つとして、お茶代わりにお酒を出す古い習慣があったり、
⇧ある日、近所のおばあちゃんちに寄ったら、
『暑い中歩いて疲れたでしょう』と心配してお酒を出してくれた。
これは日本でいうどぶろくのようなお酒。
部落ぐるみで田植えや稲刈りなど農作業をする時の水分補給がお酒だったり、
⇧所々に置いてあるポリタンクやペットボトルの中身は、お酒。
もちろん田舎では冠婚葬祭も多く、その時にも大量に必要になります。
⇧タルプ村での結婚式後、みんなが陽気に踊っているのには、
お酒の効果もあったのかも⁈⁈
ということで、タルプ村ではお酒が身近な飲み物であり、日ごろからお酒を楽しむ方も多く、お酒造りは定期的に行われている家事の一つなのです。
原料としてよく使われるのは、コドと呼ばれる【シコクビエ】。
⇧タルプ村のシコクビエ畑。
この実を手作り酵母につけて発酵させると、ヨーグルトのような甘酸っぱい香りがしてきます。
⇧発酵して皮が弾けている。
この小さな実を大量に使って、蒸留酒を作ります。
二段に重ねた瓶を薪で火にかけて作るのが特徴的🔽
下の段の瓶の中にアルコール発酵したシコクビエと水を入れて🔽
その上にもう一つ、底が抜けた瓶を置くのですが、
その中に受け皿となる器を入れて🔽
さらにこの上に別の器をのせて、上段の蓋にします🔽
この一番上の器に水を入れて🔽
全体を火にかけると、下からあがってきた濃いアルコールの湯気が、最上段にある冷たい水を入れた器の外側に付いて冷やされ、そこから滴り落ちて上段の下部にある器に溜まります。
上の水がお湯になったらそのお湯を捨てて水を入れ替えて・・を繰り返すうちに🔽
二時間ほどで、5~6リットルのお酒ができるそうです。
定期的に最上部のお水を交換する必要があるため、また薪をくべる必要もあるため、お酒を造る人はつきっきりで番をします🔽
つきっきりで作業に当たるとはいえ、何度水を交換したかはわからなくなってしまうもの。
でも、だんだん味が薄まっていくため、何度交換したかは、けっこう重要なようで・・・
タルプ村の皆さんは面白い仕方で水替えの回数を記録します。
上の写真は、4回水替えが終わっています。
下の写真は、7回。
上段の瓶のくびれ部分に白い線がそれぞれついていますが、それが回数記録です。
濡らした指に灰を付けて、それで印をつけるのです。
日本でいう正の字を書く感覚で。
お酒の味は家庭によって酸味や甘みに差がありますが、この印のつけ方はタルプ村では共通しています。
そして寒い冬には、大量に消費されるお湯を使ってシャンプーをするのも、共通ポイント。『昨日はうちでお酒を造ったから、お湯でシャンプーしたの』なんてかわいらしい会話をよく聞きます。
そしてそして、役目を終えたシコクビエ(いわゆる酒粕⁈)を家畜に食べさせるのも、共通ポイント。
一つも無駄にしない、もったいない精神が垣間見える、【タルプ村のお酒造り】でした。