ブログタイトル

MENU

【トンバ】ネパールのフシギなお酒🍶

冬が近づくとネパールではトンバまたはトゥンバというお酒が出回り始めます。

これが見た目も飲み方もだいぶ変わったフシギなお酒

 

まずお酒を入れる容器からフシギ🔽🔽

円筒形の入れ物にストローが刺さっています。

上部がフタで覆われているので中身が見えません。

素材は全てアルミ。

 

そしてストローの下端は🔽🔽

つぶれています。

途中でこうなってしまったのではなくて最初からこの形状。

どうしてこうなっているかというと、「中身を濾しながら飲む」ため。

 

というのも中に液体以外のものが入っているから🔽🔽

中にあるのは大量の赤いつぶつぶ

これは「稗(ヒエ)」というイネ科の穀物。

縄文時代にはすでに食べられていた最古の穀物と言われ、最近また見直されつつあるようです。

収穫を間近に控えた「稗(ヒエ)」

このヒエを麹と混ぜ合わせ発酵させたものが赤いつぶつぶの正体。

つまり「トンバ」とはヒエ酒のことなのです。

ちなみに…ヒエはイネ科の植物なので脱穀後、お米のように外皮を落とさないといけません。
そのための方法は色々あるようですが、うちの近所は独特…🔽🔽

 

なんと、道路に撒いて車に轢かせる!
収穫の時期になるとこういう風景をよく見ます。
時間と労力をかけないこの方法、賢い!…のか?!

 

ですが、発酵させたヒエを容器に入れて完成ではありません。

そのままではただの湿ったつぶつぶの集合体です。

飲むためにはそこに、熱々のお湯を注いで2,3分待つ必要があります。

そうすることで発酵したヒエからアルコール分と風味が出てきます🔽🔽

液体にはとろみがあり白く濁っています。

そして…これが…最高に美味!!!

トロッと柔らかい口触りで、程よい甘味と酸味があり、鼻を抜ける香りはフルーティ。

味として近いのは韓国のマッコリ?

アルコール度数は高くはなく、恐らく10%前後。

抵抗なくスルスルと、のどを通って行きます。

 

そしてこれのもう一つの特徴はお湯を継ぎ足して何杯も飲めること。

お湯を足すごとにアルコール、風味は薄くなっていきますが、3杯目までは十分においしく飲めます。

 

この「トンバ」もともとは山岳地帯に住む民族「シェルパ族」の伝統的なお酒だそう。

寒さが厳しい場所に住む彼らにとって体を温められる大切な飲み物なのでしょう。

そして彼らだけでなく、ぼくにとっても…

寒い夜にトンバの暖かさを両手で感じながら背中を丸め、音を立てる焚火に当たる。

ネパールの冬の夜を過ごす最高の方法です!

 

みなさんもどこかでこのネパールのフシギなお酒「トンバ」を見かけたらぜひ一度挑戦してみてください!!